カテゴリ:売却お役立ちコラム / 更新日付:2026/03/23 00:00 / 投稿日付:2026/03/23 00:00
札幌で家を高く売る方法|不動産会社が教える10のコツ
「せっかく売るなら、できるだけ高く売りたい」——これは札幌で不動産の売却を考えているほとんどの方が感じることです。ただ、「高く売る」ためにやるべきことは意外と具体的で、知っているかどうかで手取り額が数十万円、場合によっては100万円以上変わることもあります。この記事では、札幌の不動産売却に長年携わってきた立場から、実際に効果のある10のコツをご紹介します。
「高く売れる家」と「そうでない家」の差はどこにある?
不動産の売却は、「出せば売れる」ものではありません。同じ条件の物件であっても、売り方によって成約価格が100万円以上変わることは珍しくありません。それは何も特別な物件だからではなく、売り方の準備と戦略の違いによって生まれる差なのです。
たとえば、査定を1社にしか頼まなかった、売り出し価格を低く設定してしまった、内覧前の準備が不十分だった——こうした「気づかないうちにやってしまいがちなミス」が積み重なると、手取り額を大きく減らす原因になります。
反対に、適切な準備と判断を積み重ねることができれば、同じ物件でも「高く・スムーズに」売ることは十分に可能です。以下では、私たちが実際の売却現場で重要だと感じてきた10のコツを、できるだけ具体的にお伝えします。
コツ1:査定前に「掃除・片付け」をしておく
「どうせ売るんだから、掃除しても意味ないのでは?」と思う方もいらっしゃいますが、それは少し違います。査定担当者が訪問する際、物件の状態は査定額の判断材料になります。
特に、水回り(キッチン・浴室・トイレ)や玄関まわり、窓ガラスの汚れ、においなどは印象に大きく影響します。「手入れが行き届いている家」と「放置されてきた家」では、担当者の受け取り方も変わってきます。査定前に、最低限の清掃と不要な荷物の片付けをしておくだけで、査定額に好影響を与えることがあります。
また、査定は「物件の価値を見極める場」でもありますが、同時に「不動産会社との最初の顔合わせ」でもあります。第一印象を整えることは、その後の交渉にもプラスになります。
【ポイント】特別なリフォームは不要です。清掃・片付け・消臭を意識するだけでOKです。費用をかけずにできる準備として、まず取り組んでみてください。
コツ2:複数の不動産会社に査定を依頼する
査定は、1社だけではなく複数社に依頼することを強くおすすめします。査定額は会社によって異なることがあり、その差が数十万円〜100万円以上になることもあります。
理由はいくつかあります。不動産会社ごとに得意なエリアや物件タイプが異なること、過去の成約事例の蓄積が違うこと、また会社の方針によって査定の考え方が異なることなどが挙げられます。
複数の査定結果を比較することで、「相場観のズレに気づく」「担当者の説明力や対応の質を比べられる」というメリットもあります。査定は無料で受けられるのが一般的ですので、まずは2〜3社に依頼してみることをおすすめします。
【注意点】査定額が高い=良い会社、ではありません。根拠のない高査定には注意が必要です。詳しくは後述の「コツ3」をご覧ください。
コツ3:査定額の根拠をきちんと確認する
査定を受ける際に、多くの方が「査定額の数字」だけを見てしまいます。しかし、本当に重要なのは「なぜその金額なのか」という根拠です。
査定額が高い会社の中には、「とにかく媒介契約(※)を取りたい」という意図で、実際の市場価格より高い数字を提示することがあります。これを俗に「釣り上げ査定」と呼びます。最初は高い価格で売り出しても、買い手がつかなければ値下げを繰り返すことになり、結果として時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。
※媒介契約:不動産の売却を不動産会社に依頼するための契約のこと。これを締結して初めて、会社が販売活動を開始します。
担当者に「この価格の根拠は何ですか?」「近隣の成約事例を見せてもらえますか?」と聞いてみてください。丁寧に説明してくれる会社は、それだけ誠実に向き合ってくれる会社だと判断できます。
コツ4:売り出し価格は「少し高め」からスタートする
不動産の売却では、売り出し価格と最終的な成約価格は必ずしも一致しません。買い手との交渉の中で、多少の値引きが生じることは珍しくありません。
そのため、最初から値引きを見越した価格設定をしておくことが重要です。「査定額ちょうど」や「相場の下限」でスタートすると、交渉の余地がなくなり、結果として安値で成約してしまうことがあります。
一方で、相場からかけ離れた高値設定も問題です。問い合わせ自体が来なくなり、売れ残りの期間が長くなります。市場に長く出回っている物件は「何か問題があるのでは?」と思われることもあり、結果的に価格交渉を受けやすくなります。
適切な価格設定の目安は、「査定額の5〜10%程度を上乗せしたところからスタートし、市場の反応を見ながら調整する」というイメージです。ただし、エリアや物件タイプによって適正な上乗せ幅は変わりますので、担当者とよく相談しながら決めてください。
コツ5:売り出しのタイミングを意識する
不動産の売却には「売れやすい時期」と「売れにくい時期」があります。札幌に限らず一般的には、春(2〜4月)と秋(9〜11月)が売却しやすい時期とされています。これは、転勤・進学などに伴う住み替えの動きが多くなる時期と重なるためです。
札幌特有の事情としては、積雪期(11月〜3月頃)の売却は内覧のハードルが高くなる面があります。雪で外観が見えにくくなることや、積雪状態では庭や外構の状態が確認しにくいことが理由です。
ただし、「冬は売れない」と断言できるわけでもありません。冬でも真剣に探している買い手はいますし、競合物件が少ない分、比較的じっくり見てもらえるという側面もあります。
大切なのは、「なぜ今売るのか」という目的と照らし合わせながら、売り出しのタイミングを選ぶことです。急ぎの事情がなければ、春先を目指して逆算した準備を進めるのがひとつの目安になります。
コツ6:内覧の準備を丁寧に行う
買い手にとって内覧は、「この家に住んでいる自分」をイメージする大切な機会です。内覧時の印象が成約の可否を左右することは非常に多く、「内覧で決めた」という買い手は決して珍しくありません。
内覧前に気をつけたいポイントをいくつか挙げます。
- においへの対策:ペットや生活臭、タバコのにおいは気になる方が多いです。換気をしっかり行い、必要であれば消臭剤を活用しましょう。
- 水回りの清潔感:キッチン、浴室、洗面台、トイレは特に見られます。鏡や蛇口の水垢を落とすだけでも印象が変わります。
- 採光を意識する:カーテンを開け、電球が切れていたら交換しておきましょう。明るい部屋はそれだけで好印象を与えます。
- 荷物の整理:室内が荷物で溢れていると部屋が狭く見えます。収納の中まで見られることがあるため、なるべく整理しておくと良いです。
- 玄関まわりの清掃:内覧は玄関から始まります。靴を揃え、たたきを清掃しておくことで最初の印象が良くなります。
また、売主様自身が内覧に立ち会う場合は、買い手が自由に見て回れる雰囲気を作ることも大切です。必要以上に話しかけたり、説明を詰め込みすぎると、かえってプレッシャーを与えてしまうことがあります。
コツ7:物件写真の「見せ方」を工夫する
買い手が物件を探す際、最初に目にするのはインターネット上の物件情報です。その中で最も注目されるのが物件写真です。写真の出来栄えひとつで、問い合わせ数が大きく変わることがあります。
明るい時間帯に自然光を活かした写真、各部屋の広さが伝わるアングル、水回りの清潔感が伝わるクローズアップなど、写真の質は内覧のきっかけを作ります。不動産会社が撮影する場合でも、「日中の明るい時間帯に撮ってほしい」「リビングは広角で撮ってほしい」などの希望を伝えることができます。
近年は「ホームステージング(※)」と呼ばれる手法も注目されています。これは、家具や小物を使って部屋をモデルルームのように演出することで、物件の魅力を最大限に伝えるものです。費用がかかる場合もありますが、効果が出れば十分に元が取れることもあります。
※ホームステージング:物件を売却するにあたり、買い手が暮らしのイメージを持てるよう、家具や小物などで部屋を演出すること。
コツ8:リフォームは「やりすぎない」のが正解
「売る前にリフォームしたほうがいい?」という質問をよく受けます。結論から言うと、大掛かりなリフォームは基本的に必要ありません。
理由は、リフォームの費用分だけ売却価格が上がるとは限らないからです。100万円かけてリフォームしても、成約価格が100万円上がるとは言えないどころか、「自分の好みに合わない」と感じた買い手に敬遠されることもあります。
一方で、小さな修繕や清掃は効果的です。ドアのきしみや建具の不具合、網戸の破れ、クロスの目立つ汚れなど、数千円〜数万円で直せる小さな不具合を放置していると、「手入れがされていない家」という印象を与えてしまいます。買い手の目についた不具合は、交渉時の値引き材料にされやすいため、費用対効果の高い修繕に絞って対応するのが賢い選択です。
リフォームに関する判断基準の目安
- ✔ 対応すべき:雨漏りや設備の故障など、機能上の問題がある箇所
- ✔ 対応すべき:数万円以下でできる清掃・小修繕
- △ 要検討:クロスの全面貼り替え(費用と効果のバランスを確認)
- ✕ 不要なことが多い:キッチン・浴室の大規模リフォーム
コツ9:売却を急ぎすぎない
「早く現金が欲しい」「早く引っ越したい」という気持ちはよく理解できます。しかし、売却を焦ることは、価格交渉で不利になる大きなリスクを抱えることになります。
「いつまでに売らなければならない」という期限が買い手側に伝わってしまうと、「値引きを求めれば通るかもしれない」と足元を見られる可能性があります。担当者に対しても、売却期限を必要以上に強調しないことが賢明です。
もちろん、転勤や相続など、どうしても期限がある場合もあります。その場合は「買取(直接買取)」という方法も選択肢のひとつです。仲介売却より価格は下がる傾向がありますが、スピーディーに現金化できるというメリットがあります。
逆に、期限に余裕があるなら、じっくりと市場に出しながら良い買い手を探す時間を取ることが、高値売却への近道です。
コツ10:地元に強い不動産会社を選ぶ
不動産の売却は、不動産会社選びで結果が大きく変わります。特に大切なのは、「そのエリアに精通しているかどうか」です。
地元に根付いた不動産会社は、近隣の成約事例を多く持っており、適正価格の見極めが得意です。また、地域のネットワークを活かした買い手の紹介や、地元特有の事情(ハザードマップ、交通の便、周辺環境など)を踏まえた的確な説明ができます。
大手の不動産会社は知名度やネットワークの広さがメリットですが、担当者が頻繁に変わったり、対応が画一的になりやすい面もあります。一方、地元密着型の会社は、担当者との距離が近く、細かな要望にも対応しやすいという特長があります。
会社を選ぶ際のポイントとして、「そのエリアでの実績があるか」「担当者の説明が具体的で誠実か」「売却後のアフターフォローの説明があるか」などを確認してみてください。
札幌特有の事情も知っておこう
ここまでは全国的に通用するコツをご紹介してきましたが、札幌には独自の事情もいくつかあります。売却を検討する際に頭に入れておくと役に立つポイントをまとめます。
積雪・除雪の状況は査定に影響する
戸建て物件の場合、屋根の積雪対応(排雪設備の有無など)や駐車スペースの除雪のしやすさは、買い手が重視するポイントです。冬期間の維持管理が楽な物件は評価が高くなりやすい傾向があります。
エリアによって価格の動きが大きく異なる
札幌市内でも、中央区・白石区・豊平区などの利便性の高いエリアと、清田区・手稲区・厚別区などの郊外エリアでは、価格の動向が異なります。「札幌市全体の平均相場」だけで判断せず、自分の物件があるエリアの動向をきちんと確認することが重要です。
マンションと戸建てで「売れるポイント」が違う
マンションは管理状態や修繕積立金の状況が、戸建ては土地の形状や駐車スペースの数が重視される傾向があります。それぞれの物件タイプに合わせたアピールポイントを担当者と整理しておきましょう。
まとめ:10のコツを実践して、後悔のない売却を
改めて10のコツを振り返ります。
- 査定前に掃除・片付けをしておく
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
- 査定額の根拠をきちんと確認する
- 売り出し価格は「少し高め」からスタートする
- 売り出しのタイミングを意識する
- 内覧の準備を丁寧に行う
- 物件写真の「見せ方」を工夫する
- リフォームは「やりすぎない」のが正解
- 売却を急ぎすぎない
- 地元に強い不動産会社を選ぶ
これらのどれかひとつだけでも意識することで、売却結果は変わってきます。すべてを完璧にやろうとしなくても大丈夫です。「まず査定を受けてみる」「内覧前に水回りを磨いておく」といった小さな一歩から始めてみてください。
不動産の売却は、人生の中でそう何度もある経験ではありません。だからこそ、「あのとき、もう少し準備しておけばよかった」という後悔を残してほしくないのです。この記事が、札幌で家を売ろうとしている皆様の参考になれば幸いです。
よくある質問(FAQ)
- Q. 査定は何社に依頼するのがベストですか?
- A. 一般的には2〜3社程度が比較しやすいバランスです。あまり多くなりすぎると対応が煩雑になるため、まずは2社から始めて、必要に応じて追加するイメージで進めると良いでしょう。
- Q. 冬(積雪期)に売り出すのは不利ですか?
- A. 内覧のしやすさや外観の見えにくさという点では不利な面もありますが、冬でも真剣に家を探している方はいます。「競合が少ない」という見方もできるため、一概に不利とは言えません。ご自身の事情やスケジュールを優先しながら判断してください。
- Q. リフォームしないと売れませんか?
- A. 必ずしもそうではありません。現状のままで売れるケースのほうが多いです。ただし、雨漏りや設備の故障など、機能に支障がある箇所はあらかじめ対処しておく方が交渉を有利に進めやすくなります。
- Q. 売却価格の交渉はどの程度受け入れるべきですか?
- A. これは物件の状況や市場の動きによって変わります。「何%まで下げる」という目安をあらかじめ担当者と決めておくと、交渉の場でブレずに判断できます。
- Q. 他の不動産会社にすでに依頼しているが、査定だけ別の会社にお願いしてもいいですか?
- A. はい、問題ありません。査定だけの依頼は無料で受けている会社がほとんどです。現在の契約内容(専任媒介か一般媒介か)によっては売却依頼先を変えることも可能なため、まずはご相談ください。





